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Face or Body

第2章 アキラ(30)

ちょうど4年前
アキラが勤務する川島交番に
警察学校を出たばかりの
婦人警察官にしておくには
ムダに美人な新人が配属された日を
アキラは鮮明に覚えていた。

『青山光【アオヤマ ヒカル】です!!よろしくお願いします!!』

眼鏡の奥から
キラキラ輝く希望に満ちた瞳…
無造作にポニーテールで結んだ黒髪…
唇のはしのホクロが
ヒカルの美人さに少しだけ
エロチックな要素を付け加えている。

こんな
女オンナした華奢な身体つきの子が
本当に剣道5段をはじめ
居合道、合気道、柔道と
のきなみ有段者の猛者とは
とても思えないなぁ…。

それがアキラのヒカルに対して感じた
第一印象だった。

アキラが
結婚したばかりの妻ヒカルとの
初めての出会いを
春の暖かな日差しをうける
交番の玄関で何気なく思い出しているとき…

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