Face or Body
第2章 アキラ(30)
『こんにちは。巻町巡査長はいらっしゃいますか?』
50代後半の
色黒でがっちりとした
いかにも鍛えている身体をした
男性が声をかけてきた。
『…私が巻町ですが…。』
とアキラは答えた。
『私…、この度、海浜署生活安全課に赴任した村山一平と申します。』
とその男性は名乗った
村山一平という名前に
アキラは
結婚式に妻であるヒカルの
警察学校時代の恩師という立場で
スピーチをいただいていたことを思い出し
慌てて敬礼をした。
『いやいや… 先週から赴任したもので、本来はもっと早く管内の交番の皆さんにご挨拶をしなくてはならなかったのですが、ついつい遅れてしまいました。』
とその男は答えたあと
『そんな直立不動じゃなくてかまいませんよ。私…今日はたまたま休暇で、つい先程、青山…あっ失敬…すみません、奥さまに偶然電車のなかで再会したもので、旦那さんにもご挨拶をと思い、こちらに立ち寄らせて頂きました』
と穏やかな口調で
緊張する面持ちのアキラを
なごませるかのように
アキラに村山は話しかけた。
50代後半の
色黒でがっちりとした
いかにも鍛えている身体をした
男性が声をかけてきた。
『…私が巻町ですが…。』
とアキラは答えた。
『私…、この度、海浜署生活安全課に赴任した村山一平と申します。』
とその男性は名乗った
村山一平という名前に
アキラは
結婚式に妻であるヒカルの
警察学校時代の恩師という立場で
スピーチをいただいていたことを思い出し
慌てて敬礼をした。
『いやいや… 先週から赴任したもので、本来はもっと早く管内の交番の皆さんにご挨拶をしなくてはならなかったのですが、ついつい遅れてしまいました。』
とその男は答えたあと
『そんな直立不動じゃなくてかまいませんよ。私…今日はたまたま休暇で、つい先程、青山…あっ失敬…すみません、奥さまに偶然電車のなかで再会したもので、旦那さんにもご挨拶をと思い、こちらに立ち寄らせて頂きました』
と穏やかな口調で
緊張する面持ちのアキラを
なごませるかのように
アキラに村山は話しかけた。