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Face or Body

第10章 事件のあと…

それにしても
あの婦警たちの
私へのヒソヒソ話は
いつまで続くのか……。

そう考えると
ヒカルは憂鬱になる。

ヒカルはヒソヒソ話を
気にしない素振りでやり過ごし
生活安全課の部屋に戻った。

席につき
ため息をつくヒカルに

『青山…』と
課長の久保寺竜也【クボデラ タツヤ】が
声をかけた。

『はい!!何でしょう?』とヒカル

『体育大学を出てるお前に聞いても答えられるかな…? どうせ剣道しかしてなかっただろうし…』
と久保寺は
悪戯っぽく笑いながら

『よし!!問題だ!! 【人の噂は?】』

ヒカルは
『【気にしない】です』と答えた。

『………………あ、まっ…そうだな…。』

久保寺は返答に困った。

『バカだやっぱり!!』

『なんか典型的なボケを天然で答えられちゃうとね~ …課長もつらいっすよね…』

『えっ…? 私なんか変なこと言ったんですよねきっと…』
ヒカルは
周囲の先輩からの
ツッコミに赤面してしまった。

久保寺が
『まあ…あの…なんだ…… ゴホン…』と
咳払いをしてから
『青山。 周囲からの好奇の目なんて気にするな!! 【人の噂は75日だ】』
続けて
『だから時間がたてば、噂や好奇心なんて消えてくさ…。なので【人の噂は気にしない!!】 うん!!青山…大正解!!  …ゴホン…』

『と、まあそう言うわけだ!! ヒマヒマ交通課の女の子には、言いたいだけ言わせとけ』
先輩刑事の
広末桜子【ヒロスエ サクラコ】が
ヒカルの肩をポンと叩いた…

『内勤の庶務課のコなんて、噂するのが仕事なんだって!!』
先輩刑事の
五代新太郎【ゴダイ シンタロウ】が
ヒカルの真似をして
メガネをクッと指であげる仕草をした…。

久保寺は
振り返り課長席の背後にある
窓から空を見上げた。

ヒカルは
生活安全課の先輩刑事たちの
心遣いに感謝した。

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