Face or Body
第10章 事件のあと…
あれから
闇に包まれたままだ…。
あんなに優しかった
ヒロキが微笑んでくれない
必要最低限の会話が
私の心の闇を
さらに拡大していく…。
娘のエリカが
心配そうに私を見つめる視線さえ
『ママはもう… 前のママじょないよ…』
『ママの匂い… なんか気持ち悪い…』
『だってママは… ケダモノと交尾した最低の女だもん…』
『ママ… パパじゃない男の人と交尾して、よくまだ私のママだっていえるね… よくこのお家にいれるね… クサいよ…汚いよ醜いよママ…』
そんな風に思えてしまう…。
いけしゃあしゃあと
この家に住めない…。
その夜…
山里美咲は
夫と2歳の娘エリカを残して
家をでた…
そして
自ら手首を切り
遠ざかる意識を懸命に保ちながら
港に架かる桟橋から
漆黒の海に身を投じた…。
遺体はあがらず
残されたヒロキとエリカのうえを
時だけが流れた…。
闇に包まれたままだ…。
あんなに優しかった
ヒロキが微笑んでくれない
必要最低限の会話が
私の心の闇を
さらに拡大していく…。
娘のエリカが
心配そうに私を見つめる視線さえ
『ママはもう… 前のママじょないよ…』
『ママの匂い… なんか気持ち悪い…』
『だってママは… ケダモノと交尾した最低の女だもん…』
『ママ… パパじゃない男の人と交尾して、よくまだ私のママだっていえるね… よくこのお家にいれるね… クサいよ…汚いよ醜いよママ…』
そんな風に思えてしまう…。
いけしゃあしゃあと
この家に住めない…。
その夜…
山里美咲は
夫と2歳の娘エリカを残して
家をでた…
そして
自ら手首を切り
遠ざかる意識を懸命に保ちながら
港に架かる桟橋から
漆黒の海に身を投じた…。
遺体はあがらず
残されたヒロキとエリカのうえを
時だけが流れた…。