
Face or Body
第10章 事件のあと…
その夜
ヒカルはアキラの家に
招待された。
家族団らんって
こういう時間なんだろうなぁ…
ヒカルは
家族団らんの空気をあまり知らない。
ヒカルが生まれてすぐ
父がガンで他界した。
――まだ若かったから、進行が早くてね…
身体の変調を自覚したときには、すでに手遅れだったのよ…。
よく母から聞かされた。
だから光るの記憶に
父に高い高いをされたこと
肩車されたこと
一緒に鬼ごっこやかくれんぼしたこと…
そんな記憶はない…。
母は
ヒカルと兄のケンタを
女でひとつで育てるために
朝昼晩…すべての時間を惜しむように
働いてくれたのだ。
そんな母の自慢は
地元の国立大に一発合格した
兄のケンタだった…
しかしケンタは
大学1年の時に
狂気に襲われた薬物中毒者の暴行から
通りすがりの女性をかばったがために
殺害された。
母の絶望と落胆は
母から笑顔を奪った…。
ヒカルが
どんなに勉強を頑張っても
剣道で頑張って
スポーツ特待での学費免除で
大学に合格しても
昔のような
母の笑顔には会えなかった…。
『あ!!ヒカルちゃん… 遠慮しないで食べてますか?』
少しはにかみながら
アキラの父タカシが
ヒカルを気づかった。
『はい。すごく美味しくてお腹一杯です。』
とヒカル
『いつもお仕事大変でしょ?ちゃんとごはんとか作ってます?』
とアキラの母ハルミも
ヒカルを気づかう。
『アハっ…!!ちょっと外食が多いかな?』
と照れくさい思いでヒカルが答えた。
『ちょっとちょっと――ぉ!!そんなヒカルちゃんが困る質問だ目だゾッ!! ヒカルちゃんは私のお姉ちゃんになるんだからっ!!』
とアキラの妹サチが
ヒカルを庇うように
ハルミに言い返した…。
私…
私が…
サチさんのお姉さん…?
えっ…?
アキラがヒカルに
『ヒカル… メシ食べたら、俺の部屋にこない?』
と言った。
ヒカルはアキラの家に
招待された。
家族団らんって
こういう時間なんだろうなぁ…
ヒカルは
家族団らんの空気をあまり知らない。
ヒカルが生まれてすぐ
父がガンで他界した。
――まだ若かったから、進行が早くてね…
身体の変調を自覚したときには、すでに手遅れだったのよ…。
よく母から聞かされた。
だから光るの記憶に
父に高い高いをされたこと
肩車されたこと
一緒に鬼ごっこやかくれんぼしたこと…
そんな記憶はない…。
母は
ヒカルと兄のケンタを
女でひとつで育てるために
朝昼晩…すべての時間を惜しむように
働いてくれたのだ。
そんな母の自慢は
地元の国立大に一発合格した
兄のケンタだった…
しかしケンタは
大学1年の時に
狂気に襲われた薬物中毒者の暴行から
通りすがりの女性をかばったがために
殺害された。
母の絶望と落胆は
母から笑顔を奪った…。
ヒカルが
どんなに勉強を頑張っても
剣道で頑張って
スポーツ特待での学費免除で
大学に合格しても
昔のような
母の笑顔には会えなかった…。
『あ!!ヒカルちゃん… 遠慮しないで食べてますか?』
少しはにかみながら
アキラの父タカシが
ヒカルを気づかった。
『はい。すごく美味しくてお腹一杯です。』
とヒカル
『いつもお仕事大変でしょ?ちゃんとごはんとか作ってます?』
とアキラの母ハルミも
ヒカルを気づかう。
『アハっ…!!ちょっと外食が多いかな?』
と照れくさい思いでヒカルが答えた。
『ちょっとちょっと――ぉ!!そんなヒカルちゃんが困る質問だ目だゾッ!! ヒカルちゃんは私のお姉ちゃんになるんだからっ!!』
とアキラの妹サチが
ヒカルを庇うように
ハルミに言い返した…。
私…
私が…
サチさんのお姉さん…?
えっ…?
アキラがヒカルに
『ヒカル… メシ食べたら、俺の部屋にこない?』
と言った。
