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天使と悪魔

第7章 不穏の予兆

・藤ヶ谷side

あぁーダメだ苛々する。



北「ただいまぁー」



どうしようもなく、あいつを抱きたくて仕方がない。

ダダダダッ



二「お帰りミツ、ぎゅっ」

北「うおっちニカ」

二「今日はな、わったーがメシを作ってくれるって」

北「横尾さんが」



くっそ人の気も知らないで



横「ニカ、手伝ってくれ」

二「OK」



わたも、呑気に料理なんか作ってるんじゃねぇよ。



北「藤ヶ谷?」

藤「チッ」

北「どうした?」



どうしたもこうしたもねぇ



北「どこか、具合でも悪いん?」



そう言うと、俺の顔を覗き込んで来る北山。

くっ、限界だ!



北「ちょ、なに!?」



グイッとその顎を持ち上げると。



北「ふじ…んっ」



チュッ、唇を奪い。



北「ん…ふっ‥こっ…こらんっ…なに‥やっ…て」



北山、北山―



北「ん…だめ‥だっ…て‥みんないる…ん‥だから…よ‥よせ!」



ドカッ!



藤「いってぇーまたお前」

北「っは、ハァハァハァ、おまえ時と場所を弁えろよな」

藤「はっ?」

北「くっ」



とたん、こいつはお決まりの蹴りを入れたかと思うとそんな事を言い。



藤「じゃどうしろっていうんだよ」

北「えっ?」



なんで俺に惚れてるんじゃないのか。



藤「ここにはニカもいる、そんなこと言ってたら何も出来ないじゃん」

北「藤…ヶ谷」

藤「一度はしたんだ」

北「途中までな」

藤「だから、そこまでならいいだろ」

北「お前の頭の中にはそれしかないのか」

藤「そうさ悪いか」



と、その表情が一瞬固まってしまい。



北「ぶばぁーか」

藤「はっ?」



部屋の奥へ引っ込んでしまう。



横「ニカ、ちょっと出掛けて来ようか」

二「今から?どこへ」

横「そうだなぁ宮田とタマんちにでも」

二「…だね‥ハハッ」



ガチャ、バタン―

“悪魔の本能”前にわたが言っていた。

一度その気を吸うと、堪らなく欲しくなると。

俺に気を吸わせたのはお前じゃんか。

そりゃ助けようとしただけだろうけどさ。

少しでもいいからくれよ。

俺は、あいつが篭もっちまった部屋へと向かった。

すると―

そこには、何か考え込みながらソファーに座っている北山がいたんだ。





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