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天使と悪魔

第9章 息吹が輝く舜

・藤ヶ谷side

目の前に瀕死の重傷を負った郁人がいる。



塚「かっ、河合!?」



戻って来た塚ちゃんも驚きの声を上げ。



戸「北山」

北「だいじょうぶ心配するな」



その傍で、北山が意を決したかのように自分の羽根を大きく広げた。



藤「なっ、おまえ」



そして、徐々に身体は光りに包まれていき。



五「横尾、これは」

横「ミツの気の力さ」

藤「えっ?」

横「それを全て羽根に集中させている」



―と、今度は郁人の身体をその中へ包み込むとそれは益々輝きを放ち。



塚「きれーい」

宮「キタミツ、あまり無理しちゃダメだ」

戸「やり過ぎたら、自分の身体が」

藤「どういうこと?」



すると、わたが言う。



横「あれはあいつの命そのもの」

藤「いの…ち?」

宮「天使の長は、必ずしも同じ長から生まれるわけではないんだ」

五「そうなのか?」

戸「生まれたとき輝くばかりのオーラに包まれているそれが長の印し」

横「生命の息吹ってやつさミツは今それを郁人に吸収させているんだ」



わた、どうしてそんなことを知っているんだよ?



横「俺の親の…つまり祖母系にあたる天使が長だったらしい、親父から聞いた」

塚「えっ」



と、そのとき。



戸「北山!」

北「くっ…ハァハァハァ」



なっ、なんだっていうんだ

どうしてあいつ、あんなに苦しそうにしている。

傍でハラハラしながら見守っているトッツー。



横「太輔、ミツのこと支えてやれ」

藤「わた」

横「これは気力との勝負、郁人に命の息吹を与えるということは自分の生命力を削ってるのと同じ」

藤「なんだって!?」



北山!



宮「…もっ、ダメだって!そこらへんでやめとかないと」

塚「北山!」

北「くっ、もう少しなんだ今さらやめられっか」

宮「でも」

北「こいつは仲間ダチ絶対に助ける、クッ」



おま…え

ギュッ思わず後ろからその身体を抱きしめると。



北「ふっ、藤ヶ谷」

藤「頑張れ俺がこうしててやるから負けるんじゃね」

北「ふっ、あぁ、ニコッ」



そして―





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