テキストサイズ

天使と悪魔

第11章 揺らぐ気持ち

・北山side

内「確かにあいつの計画ではそうや、が俺は渡す気なんてない乗ったフリをしただけや」

北「えっ」

内「ここはな俺が許可した奴やないと入れん事になっとる、だから北山はこの中にいる限りは安全なんやで」

北「おまっ」



俺を護るため、ここへ呼んだっていうのか?



北「なんでだ」

内「お前を魔王にやるなんて、もったいないやろ」

北「それだけか」

内「惚れたとでも言われたいなら言ってやる」

北「あほ、フッ」

内「やっぱ思った通り面白いやっちゃな、クククッ」



はあっ?結局は何がしたいんだよ、こいつ。



内「もう一度言う俺のものになれ」

北「簡単に頷けるか俺には」

内「藤ヶ谷だろ?フッ」

北「‥‥っ」

内「だがあいつに何ができる」

北「どういう意味で?」

内「お前を魔王から護れる力などない、やるだけやって気を吸いそれしかない、ただの悪魔や」

北「あいつの悪口を言うなお前に藤ヶ谷の何が分かるっていうんだわ」

内「そんなに好きか?けど俺は必ずお前の中から追い出してみせる自信あるし」

北「‥‥っ」

内「お前ら天使を惹きつけることが出来るのも、俺の能力やからな」



だから俺はさっきから。

こいつの眼に惹きつけられてしまってるってわけか。

なるほど、フッ!



内「だが安心せ無理矢理は趣味やない確実に少しずつ北山が俺を受け入れるよう惹かれさせてやるから」

北「んなこと」

内「ない言いたいん」

北「あぁ」

内「なら、お前の心が少しでも揺れたら俺は遠慮なくいかせて貰うで」



俺には分からなかった。

どうして内がそこまで自分を欲しがるのか。

だが結局こいつも寂しかったんだと後になって知る。

なぁ内、そうだろ?

生まれ持った能力で、天使が寄って来ても。

嬉しくもなんともなかったんじゃね。

その証拠に、ここいる天使は誰ひとりとして。

こいつの腕輪をつけている者はいなかった。

時々、他のやつが来てモノにしてったりはしていたが

それから俺は結局、逆らえないまま。

その腕の中で眠りについてしまう。

が、朝になったとき確かに体力は完全に回復していて

おかしな共同生活が、始まったんだ。

まるで、俺と駆け引きするのを楽しんでいるかのように接して来るこいつ。

内との―





ストーリーメニュー

TOPTOPへ