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天使と悪魔

第12章 真実の愛

・藤ヶ谷side

藤「なに」

河「確認しておきたい事がある」

藤「んっ?」

河「おまえ、何があっても宏光を受け入れられるか」

藤「どういう事」

河「あいつの肌が他の奴に触れられちまっていても、今までと変わらず愛してやれるかと聞いてるんだ」

藤「なっ!?」

河「どうなんだよ」

藤「まさかそれって」

河「心配はいらない、まだそこまではいってないみたいだ」

藤「そこまでって、どこまで」

河「ある程度はやられちまってるな、ありゃ」



嘘だろ…



河「拒めなかったって辛そうな顔をして言ってた」

藤「北山が」

河「あんなあいつ、初めて見た」

藤「‥‥っ」

河「俺の知っている宏光はいつも態度がデカく毅然としていて自分をしっかり持ち、でも今は」

藤「なんだっていうんだ」



泣いてた?北山が…



河「お前に、会わせる顔がないって言ってな」

藤「‥‥っ」

河「けど、会いたいて叫びながらよ」

藤「くっ」

河「あいつの心を救ってやれるのはお前しかいない」

藤「おっ、俺は」

河「宏光はお前を求め足掻いてる、じゃなきゃあんな顔してねって」

藤「何があっても気持ちは変わらない」

河「太輔、フッ」

藤「あいつが俺を求めてるなら応えてやる他のやつに触れられてしまったことに罪悪感を感じているなら、それを消してしまうくらい今までの何倍も愛してやるさ」

河「それ聞いて安心した」

藤「ありがと郁人」

河「何が」

藤「言いずらかっただろ」

河「俺は、おまえも宏光も大好きだから2人には幸せになって欲しい、それだけさ」



ふっ、Thank you―

北山、こんど泣く時は俺の胸で泣け。

そんなところで独り苦しんでるんじゃないよ。

俺がいるだろ?お前には。

郁人は、それから再びそこへ潜り込みハッシーと会い



橋「分かった、その時間に宏光と滝の所へ行けばいいんだね」

河「そうハッシーいいか、他の連中とくに内って奴には気づかれないよう気をつけるんだぞ」



そして、いよいよその日がやって来る。

飛び込んで来い北山、この胸の中へ。

俺は、お前のことならなんでも受け止めてやる。

ザァーッ!

滝の音が、秒針を刻むかのように聞こえる中で。

あいつが、そこへ来るのを待った。

俺達に明日がある事を信じて―





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