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・藤ヶ谷side

静かな空間―

俺と内が見つめる中で北山の口が微かに動く。



北「藤…ヶ谷‥」

藤「んっ？」

北「キス…して‥くんね」

藤「えっ!?」

内「‥‥っ」



お前いきなり、なにを言っているんだよ。



北「嫌…か‥他のやつ…を受け入れちまった‥唇に…するのは‥ｸｯ」

藤「そんなことはない」

北「なら…してくれ‥お前…感じたいん‥だ…頼む‥藤ヶ谷…いつも‥みたいにさ」



北山は身体を震わし潤んだ瞳で必死に訴えて来る。

俺は、その姿を見て郁人の言葉を思い出していたんだ



河「宏光はお前を求め足掻いてる、じゃなきゃあんな顔してねって」



それを救ってやれるのは、自分だけ。



藤「分かった、ﾌｯ」



それが望みなら、チュッ！いくらでもしてやるさ。

チュッ、チュッ！



北「んっ…なんじゃ‥ねく…もっと深く」

藤「こうか？ｸｽｯ」



チュプ―



北「んんっ、もっと、んもっと深く、ふっうん、まだだ、はふっ、んっ」

内「‥‥っ」



すると―

こいつは俺の首に手を回して自分から抱きつき。

吸いつくみたいに口の中を貪って来てよ。



藤「北山、ﾁｭﾌﾟ、北…や‥プチュ、ﾁｭｸﾁｭｸ」

北「藤ヶ谷、はふっ、んっあっ」



俺達はそこに内がいることも忘れ互いを求め合う。



内「くっ」



そして―



北「藤…ヶ谷‥」

藤「なんだ？ﾆｺｯ」

北「おっ…前じゃなきゃ‥嫌だ」

藤「んっ？」

北「俺の中…入れんのは‥お前…じゃなきゃ嫌なん‥だよ ｸｯ」

藤「分かった分かったから北山」



自分の気持ちを必死な思いで口にする北山。

もう何も言わなくていい。

その姿、言葉に堪らなくなり強く抱きしめた。



内「俺の負けやな」



それを見ていた内がボソッと呟く。





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