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天使と悪魔

第13章 未来への架け橋

・藤ヶ谷side

チャッポン!

北山は前で黙ったまま後ろにいる俺に、身体をもたれかけ。

俺は、そんなこいつを抱きしめながら思う。

なぁお前もしかして今日、最後まで行く気か?

再び流れる沈黙の空間―

なら俺もそのつもりで行くけどいいな。

ギュッ!

それを伝えるかのように、強く抱きしめたら。

そんな俺の腕を、握り返す北山。

言わなくても分かる、互いの気持ち。

言葉に出さなくても伝わるその想いが。

そこには、確かに存在していた。

俺と北山との間に―

そして、どのくらいそうしていただろう。



北「藤ヶ谷もう出ないか」

藤「んっ?あぁそうだな」



ザバッ!

俺達は湯から上がると無言のまま自分の身体をタオルで拭き。

俺が服を着ようとしたそのとき。



北「あっ、あのよ」



再び北山が話し掛けて来て



藤「なに?どうした」

北「着なくて…いい」

藤「はっ?おまえなに言って」



チュッ!

そう言うと、いきなりキスをし。



藤「北山?」

北「これを…巻いてかね?」

藤「はっ?」



あげく上目遣いで見ながら俺に見せた物それは。



藤「まさか、シーツ」

北「正解、よく出来ました藤ヶ谷くん、ニコッ」

藤「なっ、なんだそのノリは?」

北「ダメ…か‥ハァ」



えぇーっ、どうしてヘコむ



北「だってよ、これを2人で巻いてけばいいかなぁーなんて思ったりしたわけで」



もしかして―

いちいち服を脱いだり着たりしなく済むから。

いいだろうとでも言いたいわけ?



北「ぁ…アハッ」

藤「はぁ」

北「やっぱりダメか?」

藤「寝ているとはいえあいつらいるんだぞ」

北「ならいい、このままで行く」

藤「ちょ待て、いくらなんでもスッポンポンてわけにはいかないだろ服を着りゃいいじゃん、なぁー北山」

北「着たらしね」

藤「へっ?」

北「もう、今日はしねって言ってるんだ」

藤「なんでそうなる」

北「決心が鈍るからに決まってるだろ」

藤「‥‥っ」

北「もっ、いい、もっ」



半ばヤケクソぎみに、服を着ようとする北山。





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