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天使と悪魔

第14章 すれ違う想い

・北山side

北「なるほどそういうことか」

河「だから俺と亮太は」

北「だが、死ぬなんて許さない!キッ」

河「宏光」



ったくこいつも太輔に負けず劣らず不器用なやつ。



河「けど俺らの中では」

北「言ったろ、ここはダークの村じゃねんだ!それに俺が長だと」

河「‥‥っ」

北「だいいちお前らが命を捨てたって、逆にトッツーを悲しませるだけだろ」

河「くっ」

北「そんなのただ逃げてるだけじゃん」

河「逃げ…てる?」

北「あぁ男なら生きてつぐなえ」

河「くっ」

北「まっ、俺から言わせればお前がトッツーの家へ通ってたことで狙われる原因を作ったって事より二度もあいつ助けてくれたことの方が大事だと思うけど」



感謝しているんだ。

それは、きっとトッツーも同じだと思う。

お前らは、もう仲間なんだから。

勝手に死ぬだなんて、許すわけにはいかねんだよ。

そんな想いを込めこいつに言ったんだが。

果たしてどこまで伝わったかどうか…



北「取り合えず暫くは五関にしっかりと監視して貰うから覚悟しとけよ」



そう言うと渋々、了承する

それから俺は、郁人を連れ五関の所へ行き事情を説明したんだが。

あいつも渋い顔をしていたな。

同じ悪魔なだけに、複雑な心境だったんだろう。

そして、自分の家へと戻って暫くした頃。

太輔も帰って来て。



北「どうだった亮太の様子は」

藤「俺の前では平気な顔をしていたんだが健永に会ったとたん飛びついて泣いてた」

北「んだか、後はあいつらに任せとけば大丈夫だろ」



一緒にいさせるわけにはいかないから、亮太は千賀とニカの所にいる。



藤「郁人は?」

北「かなり思いつめてるなありゃ」

藤「ひろ、俺たち一族は」

北「分かっている」

藤「‥‥っ」

北「だがそれも変えていかなければ俺らの未来は明るくはならないんだぞ」

藤「あぁ、確かに」



習慣の違いか結構やっかいかもしれない、でもやるっきゃない。

そう思いながらも…

俺自身、最近は自分の身体に異変を感じてよ。

なーんて言ったら。

こいつはまた半端なく心配しそうだから言ってはいないんだけどさ。





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