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天使と悪魔

第15章 策略と駆け引き

・河合side

戸「これでも一生懸命頑張ってるんだぜ」

河「トッツー」

戸「だって自分からこんなこと言うなんて、めっちゃ恥ずかしいし」



おまえ…



戸「でもどうやったら河合が今まで通り俺の傍にいてくれるのか、考えたらこれしか思いつかなくてさ」



くっ―



戸「だから」



その身体が小刻みに震え、いつの間にか眼にはいっぱい涙が溢れていた。



戸「傍にいてよ河合」



だっ、ダメだ!こんなこいつ見たら俺…



戸「お願いだから」



無視するなんて出来るわけないじゃん。



戸「もう一度、俺を見て」



ギュッ!

堪らなくなってその身体を強く抱きしめる。



戸「温かい、フッ」

河「なんでなんだ、クッ」

戸「えっ」

河「俺なんかに、そんな」



お前なら、もっといい奴をパートナーに出来るだろ。

すると、トッツーは。



戸「好きだから、それじゃダメ?ニコッ」



俺のことを見つめ、微笑みながらそう言い。



河「悪魔なんか興味ないんじゃないの?」

戸「天使なんか好きにならないんじゃなかったっけ」

河「ぷっ」

戸「あはっ」

河戸「あはははっ」



愛に理屈なんていらないんだと。



戸「キスして河合」

河「トッツー、フッ」



チュッ!



戸「んっ」



心と身体で感じるものなんだと、このとき教わった気がした。





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