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天使と悪魔

第15章 策略と駆け引き

・藤ヶ谷side

屋良朝幸―

あいつの父親は、何故だか俺の親と親交があった。

だから子供の頃…



屋「ほら、太輔、掛かって来い」

藤「よーし行くぞ」



キーン、カーン!よく遊んで貰ったっけ。

俺達ダーク族の子供はそうやって腕を磨いてく。



屋「おまえ」

藤「んっ?」

屋「もう少し冷淡になれ、でなければイザというとき殺られてしまうぞ」

藤「俺は」

屋「優しすぎるんだよ将来は長として、一族を束ねていかなければならないんだ心を鬼にしなくてはならない時もある、その時は例え相手が誰であろうとも容赦なく斬れ」

藤「‥‥‥」



が、ある日―



長「殺された、あいつが」



ドアの隙間から、盗み聞きした自分の父親と一族たちとの会話で。



長「そんなバカな」



屋良の親が、よりにもよって天使の長に殺られてしまったという。

衝撃的な事実を、知る事となる。

それ以来、温厚だった親父は―



長「天使は我々の獲物だ、遠慮なくモノにしまくれ」



まるで復讐の如く狩りまくってさ。

そして屋良自身でさえも。



屋「俺は絶対に忘れない、黄色に輝くあの天使を」



その長への憎しみに、瞳をたぎらせるようになったんだ。

しかし、それと同時に俺にはこんな事も言っていたっけ。



屋「太輔お前が長になったらハーフだろうがなんだろうが、差別のない世の中を作ってくれ」



けど今だに俺は屋良の親がなんで天使に殺されたのか

その理由を知らないでいる



北「太輔、やっぱ俺」



と、沈黙を破るかのようにひろが口を開き。



藤「ダメだ」

北「でも」

藤「ダメだって言ってるだろ!」



ギュッ―

俺は、力いっぱいこいつの身体を抱きしめ叫ぶ。



藤「あいつは、天使の長を憎んでる!お前が行ったら何をするか、分かったもんじゃね」

北「じゃ、トッツーはどうするんだわ!放っとくわけにはいかねぇじゃん」

藤「それでも、行かせられない」

北「くっ」



これだけは絶対に引かないからな。






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