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天使と悪魔

第3章 狭間の中で

・北山side

その日の夜―



玉「ねぇミツみつってば」

宮「どう?タマ」

玉「ダメ、なんど呼んでも出て来ない」



俺は、自分の部屋へ閉じこもり。



北「くっ」



震える身体を両手で抱きしめていた。

藤ヶ谷がダーク族の長それは、紛れもない事実で。

知らず知らず、瞳から涙が溢れ出し。

なんで?どうして泣くんだわ。

分からない自分でも分からないんだけど、クッ!

ただ心の中は悲しい思いに満ち溢れ堪らなくなり。

藤ヶ谷、俺…

ずっと、お前に逢いたかったんだぜ。

なのに、なんなんだよこれは!

こんな形での再会を望んでいたわけじゃなかった。

だれか教えてくれ―

どうしたらこの苦しみから逃れる事ができる?

なぁークッ!

気持ちの置き場がないまま時間だけが過ぎて行き。

トントン―



「宏光、入るでいいか?」



この声は、忠くん。



大倉「話は全部、玉森から聞いた。ちょっと俺と話さへん?」



大倉忠義、俺の幼馴染み。



大倉「みんな心配してる、なっ?」



くっ―



大倉「お前は俺らの長や、そのお前がそんなんやったらチビっ子たちも不安がる独りで苦しんでへんで俺にも分けてくれ」



うっ…く



大倉「俺も一緒に背負うからお前の苦しみ」



その言葉でドアを開けた。






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