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天使と悪魔

第3章 狭間の中で

・北山side

翌日、俺が向かった所は―



大倉「ここ」

北「うん…」

大倉「ふっ、参ったわ俺はいない方がいいみたいやな」

北「ごめん」

大倉「気が済むまでおればええ、フッ」

北「忠くん」

大倉「だがこれだけは覚えといてや」

北「‥‥っ」

大倉「俺は、どんなときでも宏光のことを考えてる」

北「えっ?」

大倉「ほんま鈍感なやつやこれやからいつまで経っても アハッ」

北「ぁ…‥」



そう言うと笑いながら去って行く。

マジで!?

しかし今の自分の頭の中はあいつの事でいっぱいでさ

待っていたのかもしれない俺は。

藤ヶ谷がここに来ることを

もう一度、会って話しがしたくて。

本心が聞きたい。

どうしてあのとき俺を助けたのか?

なんで、それからもここで会っていたのかを。

それからあのネックレスをくれた本当の意味。

それを知らなければ、前には進めない気がした。

頼む藤ヶ谷、教えてくれ。

俺は、お前の気持ちが知りたいんだ。

思いながら、刻はゆっくりと過ぎていく。

空に浮かぶ雲が徐々に風で流されて行くかの如く。

俺は静かに待っていた。

あいつが来ることを信じて





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