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天使と悪魔

第19章 震える心

・戸塚side

それから俺は河合に全てを話した。



戸「だから、北山の傍にはいない方がいいのかもしれない、そう思いあいつんちへ行ったんだ」

河「さよならでも言うつもりで?許すわけないじゃん宏光が」



確かに、フッ!



戸「でも北山は北山で何かを抱えているみたいで」

河「言えずに帰って来たってわけ」

戸「ってか寝てて話せなかったんだけどな」

河「で、どうするつもり」

戸「河合」

河「俺はどんな答えを出しても、お前から離れる気はないけど」

戸「ありがと」



ギュッ!



河「礼なんか言う必要ないって、フッ」



そんなことはない。

その存在が俺にとってどれだけ心強いかしれないんだから。



河「なぁ、トッツー」

戸「なに?」

河「運命ってなんだと思う」



と、こいつはいきなりそんなことを言い出し。



河「宿命とかさ」

戸「えっ」

河「俺は、自分で切り開くもんだと思っている」

戸「‥‥っ」

河「だからお前の耳に聞こえて来る妖魔の声がなにをどう言おうと、自分が思う通りのことをすればいいんじゃね」

戸「俺の?」

河「あぁ、その能力も自分がやりたいことに使えばいいんだって、ニコッ」

戸「河合、フッ」



“そうだね”こいつの言う通りだと思った。

運命に流されるんじゃなく



河「どんな結果になってもそれがトッツーの選んだ道ならついてくしだから安心して自分の思う通りにしていいんだぜ、ニコッ」



自分の力で切り開いてみせるって。



戸「河合、俺」

河「ふっ、行くんだろ宏光のところへ」

戸「うん、あいつに会って全部話して来る」

河「宏光なら、受け止めてくれるさ」

戸「それと」

河「んっ?まだなにかあるのか」

戸「あいつが何を抱え込んでいるのかも」

河「トッツー」

戸「いま自分が出来る事をする、だろ」

河「あぁ、ニコッ」



けど今更ながらに思った。



河「行って来い行ってその想い全て、宏光にぶつけてくればいい」



こいつが傍にいてくれて、本当に良かったと。



河「俺はいつでもどんな時でも一緒にいるから心配するな」



愛しているよ河合。

未来のそのまた未来も何度生まれ変わったとしても。

俺は、お前を。





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