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天使と悪魔

第3章 狭間の中で

・藤ヶ谷side

大倉「何してるんや放さんか、この悪魔やろう」



いきなり、後ろから背中をドツかれ。

ハッとした瞬間にその身体を離してしまう。

ガクッ―



大倉「大丈夫か宏光、しっかりせい」



とたん倒れ込んだこいつをその天使が支え。



北「たっ、忠…くん、クッ」

大倉「こいつをどないするつもりやった?」

藤「‥‥っ」

大倉「あんた、藤ヶ谷って悪魔やろ?」

藤「あぁ」

大倉「このネックレスあげたのも、やっぱこれが狙いやったんか」

藤「ちげえー」

大倉「んじゃなんでこんな事をする、キッ」

藤「くっ」



俺にも分からない。



大倉「答えろ!」

北「もっ、いいわ」

大倉「よかない!」



ただ、俺は―



大倉「そんな辛そうな顔をして見てられへんわ」

北「‥‥っ」



こいつに触れたかっただけさ、クッ!



大倉「答えられないんなら二度と宏光に近づくんやない」



そう言うと、この西なまりの天使は。

バシッ!

俺があげたネックレスを、地面へと叩きつけ。



大倉「分かったな」

北「‥‥‥」



黙り込んでいる北山の手を引き去って行ってしまう。

あとに残された俺は―



藤「ふっ、唯一おまえとの繋がりだったのにな」



そのネックレスを拾い上げ寂しさに打ちひしがれていたんだ。

それが何から来るものなのか分からないまま。





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