テキストサイズ

天使と悪魔

第3章 狭間の中で

・五関side

二階堂高嗣、こいつは本当に変な悪魔だ。



横「そっか、おまえ自分がダーク族だと知らずに育ったんだ」

五「珍しいやつ」



本来、俺たちは人のことに干渉したりはしない。

だけど、こいつだけは特別だった。



横「しっかし驚いたなぁ、兄貴が天使の長だなんてな」

五「どんなやつ?」

二「えっ?」

五「その…」

二「大好き ニコッ」

五「はっ?」

二「俺、ミツのこと大好きなんだ フフッ」

横「ミツって言うの?」

二「そう、可愛いしカッコいいんだぜ、んふふっ」

五「ふーん」



ぜんぜん説明になっていないが、フッ!

横尾は、この世間知らずのやつが可愛くて仕方がない様子で。



横「ダーク族っていうのはな…」



なにも知らないこいつに、1から一族のことを教えてやっている。



二「じゃ俺がミツや千賀を見て反応したのは」

横「本能だろ」

二「‥‥‥」

横「羽根が生えて来たことで、ダーク族としての血が騒いだんだ」

二「やっぱり」

横「んっ?」

二「もう一緒にはいれないってこと?グスン」

横「ニカ」



泣きそうな顔の二階堂の頭を優しく撫でる横尾。



横「俺が傍にいるから」

二「ふえっ、わったー」

横「五関だって、なっ」

五「おっ、おう、アハッ」

二「ごっちぃー」

五「あぁーもうそんな情けない顔をするなよ、ハァ」



ったく仕方がないなぁ…

天涯孤独も同じこいつを、放っておけるほど俺も冷酷じゃないし。



五「飯にしようか」

二「うん ニコッ」

横「ニカ、作るのを手伝ってくれ」

二「わったーが料理するのか?」

五「美味いんだぜ、横尾の料理」

二「マジで、やったぁー」

横「ふっ」



ひょんな事から弟が出来た俺たち、しかし―

この二階堂が実はとんでもない血筋のやつだったなんて。

この時はまだ、知るよしもなく。

全ては天使の長と関係していたんだ。

念密な計画のもとに―





ストーリーメニュー

TOPTOPへ