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天使と悪魔

第21章 運命のとき

・藤ヶ谷side

北「太輔!」



予想だにしていなかった事に俺は慌てて手を伸ばしたんだが。



藤「ひろおぉーっ」



その身体はスルリと抜け。



玉「ミツ!」

屋「ヤバい術を使われた」

塚「なに!」



騒然とする俺達の前で否応なしに引き込まれて行ってよ。



二「くっそ、てめぇらどきやがれ」

千「宏光!」



けれど魔物に囲まれている俺達にはどうする事もできず。



魔「ふふふっ、はははっ、バカめお前らで防げるとでも思ったか」

戸「魔王!」



現れた魔王の腕の中には、しっかりと包み込まれているひろの姿が。



北「はっ、放せ!」

魔「待っていたぞ、奇跡の天使」

藤「ひろ!」

内「そういうことだったんやな、クッ」

塚「こいつら俺達の足止めか」

魔「考え甘いわ」

五「北山を放せ!」



しかし、想像以上に大きながたいの魔王に。

俺達は、成す術もなく立ち尽くす。



ニ「なんだあいつ」

橋「化け物!」

薮「あんなに、大きかったなんて」



馬面で頭にはヤギのような太い角が2本。

身体は筋肉で盛り上がっていて半端ないほどデカい。



魔「雑魚ども、そこでこれから何が起こるか見ているがいい」

横「ミツ!」

藤「トッツー、どうすればいい」

戸「藤ヶ谷、みんな何とか俺がここから抜け出す隙間を作ってくれ」

藤「分かった」

二「よっしゃあ片っ端から叩き斬ってやる」

河「おう」



ザクッ、ザバッ!

俺達は、必死で周りにいる魔物を斬り続ける。



魔「無駄なことを」

北「くっ、俺をどうしよっていうんで?」

魔「聞かなくても分かっているだろ」



ザッ、ザクッ!



魔「こうしてやるのさ」

北「なっ」



とたん、ひろの身体は魔王の身体の中へメリ込むように入り始め。



屋「急げ、吸収されてしまう」

宮「キタミツ!」

藤「やめろおぉー」

北「太輔えぇーっ」



叫びながら、俺の方へ手を差し伸ばして来てさ。



内「河合あそこや上にいるあいつを狙え」

河「その手があったか」



ザバァーッ!

すると郁人が斬りつけ出来た空間から。



横「今だ行け」



トッツーが空へと飛び立ち

俺達はただ祈るような気持ちで成り行きを見つめていたんだ。

あいつの力を信じて―




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