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天使と悪魔

第21章 運命のとき

・北山side

藤「終わったな…」

北「あぁ、フッ」



俺と太輔は寄り添いながらその光景を2人して見つめていたんだ。

が、次の瞬間!



北「ビクッ」

藤「ひろ?」



自分が何かに包まれてくのを感じ。



藤「おまっ」



とたん、身体は徐々に光りを増して。



北「太…輔」



それが、今までとは違うと分かったとき。

とうとう来てしまったんだってことを自覚した。



藤「ひろ!」



そんな俺を見て。

太輔は慌てて俺を抱きしめて来てよ。



北「無理だ、もう」

藤「そんな事はね、クッ」

北「太輔」

藤「行かせない絶対」



その瞳からは涙が溢れ出ている。

頼む泣かないでくれ笑っててくれよ。

俺お前の笑顔が大好きなんだから。

包み込まれた温もりを最後の最後まで感じていたいと

その身体へ強く抱きつけば



藤「ひろ、チュッ」

北「んっ」



交わす口づけの中、無情にも時は流れ。



藤「ひろおぉーっ」



太輔、愛している。

最後に見たこいつの顔は、涙でぐしゃぐしゃになりながら懸命に笑っていた。

切ないまでに…

こうして俺達は、天と地という。

互いに手が届かぬ場所へ、引き離されてしまう事となる。

その運命に逆らえぬまま―





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