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天使と悪魔

第22章 幻影を求めて

・横尾side

なぁミツ―

魔王がいなくなり、確かにこの世界は平和になった。

でも俺達はその代わり大切なものを失ってしまったんだと。

日が経つごとに嫌ってほど思い知らされている。

お前のいない部落は、静か過ぎて。

みんな、普通に振る舞っているつもりだろうが活気が感じられず。

そんなあいつらを見てると太輔だけじゃなく。

俺らにとっても掛け替えのない存在だったんだって、今更ながらに思ってしまう

だが心配するな約束は守る

俺は、何かと心の中で話しかけていたんだ。

なんとなくミツが何処かで見ている気がして。

毎日、続く変わらぬ日々。

誰の中にもポカンと空いている心の穴を見つめつつ。

けれど俺達はどこかで待っていたのかもしれない。

ミツがふらっと戻って来るのを。

あり得ないとは思いなつつ

そうでなければいない寂しさに耐えられなかった。

その存在があまりにも大き過ぎて。






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