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天使と悪魔

第22章 幻影を求めて

・戸塚side

戸「お風呂できてるよ」

河「Thank you」



俺には分かる、河合が無理しているのが。



戸「一緒に入る」

河「えっ」

戸「たまには、いいんじゃない」

河「あっ、まぁ」



北山が天界へ行ってしまって。



戸「ねっ?ニコッ」

河「…うん」



藤ヶ谷があんなふうになってから。



河「入るだけなら」



自分だけが幸せでいていいのかと、そんなふうに思ってしまい。



戸「しよ」

河「トッツー」

戸「俺も河合の赤ちゃんが欲しい」



でも、そんなんじゃ北山が悲しむ。



戸「河合は、自分の子供が欲しくないの」



あいつは俺達の幸せを何よりも願っていたんだから。

そう思いながらジッと見つめると。

ギュッ!



河「トッツー」



むしゃぶりつくように求めて来て。



戸「あっうっあ、もっと」

河「トッツー、トッツー」



そう、それでいいんだよ。



戸「あっあっ、あぁーいっ凄く」



我慢しなくても。

薮に子供がデキたって聞いたとき。



河「くっ」

戸「いいよ泣いたって」

河「泣いてなんか…ね」



横尾に言われたんだ。



戸「俺には全て晒け出していいから、ニコッ」

河「ううっ」



こいつの気持ちを楽にしてやってくれって。






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