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天使と悪魔

第22章 幻影を求めて

・玉森side

玉「どうだった?ガヤ」

宮「相変わらず」

玉「そっ」



宮田がミツんちから戻って来た。



宮「今日は、千さんも来てたんだけど」

玉「千賀が?」

宮「オセロを持って」



はっ?



宮「なんでも、屋良さんのアドバイスらしい」



意味不明だ…



玉「あれから2ヶ月、いつまで続くんだろ」

宮「弱気になったらダメだタマ」

玉「分かってる、分かってるけど」



どうしていいのか?ねぇ、ミツ教えて。

そう思ったとたん、宮田が後ろから抱きしめて来る。



宮「待とう、ねっ?」

玉「うん」



そうだな、ガヤが自分から立ち直らなければ意味ないんだし。

俺達は待つしかない。



玉「俊哉」

宮「んっ?」

玉「あっちへ行かない?」

宮「いいよ ニコッ」



ガチャ、バタン!

―が、そういう俺もあの日以来。

ギシッ、ギシッ!



玉「あっ、んっ、俊」

宮「なに」

玉「もっともっと激しく」

宮「タマ」



こうでもしていないと堪らなくって。



玉「もっと、もっとだってうっあっあっ」



心の中に空いた穴は自分で埋める事が出来ず。



玉「あっ、んっ、はっん、ああっ」



俊哉を求めることで、なんとか現状を保っている。



宮「愛しているよ」



だって一緒にいるのが当たり前だったから。



玉「あっはっ、あぁ」



まさか自分の前からいなくなっちゃうだなんて思ってもみなかったんだ。



玉「ねっ、一緒に、くっ」

宮「たっ、タマ、クッ」



皆がみんな、ミツの幻影を求め足掻いていた。



玉「…っ、ハァハァハァ」

宮「傍にいるから、心配しないで、ニコッ」

玉「うん、ギュッ」



こいつがいなかったら俺はきっと壊れていたと思う。

それくらい寂しくて堪らない。





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