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天使と悪魔

第23章 誓いの口づけ

・玉森side

と、そのとき。



屋「だったら話しは簡単だ起こしてやればいいだけのことだろ」



屋良さんが、そう言い。



塚「けど、どうやって」

河「そんな簡単なもんじゃないじゃん」

屋「そうか?」

宮「だって方法なんか分からないしさ」

屋「お姫さまを起こすのは王子さまって決まってるんじゃない」

宮「王子さま?」

橋「あぁーっ」

戸「なっ、何だよハッシーいきなり」

橋「だって宏光の王子さまってガヤでしょ、つまり」



そういうこと?



河「いやいや確かにそうかもしれないけど、何でわざわざそんなことを神さまって奴はしたんだ?」

五「それは北山が目を覚まさないと分からないんじゃない」

横「とにかく太輔が来るのを待つしかないな」

玉「そうだね」

横「しかし、これで納得した」

塚「んっ?」

横「何故すぐに部落へ来なかったかってことが」

五「そっか北山はなんらかの理由で意識を無くされたまま天界から戻って来た」

横「だがそれでも無意識に必死で戻ろうと足掻いていたんだろ」

塚「だから、こんなに汚れてボロボロになっちゃったのか」

河「くっ、悪い宏光」

戸「河合」

河「俺があの時、あのままお前を捜していたらこんな姿になっちまう前に太輔と会わせてやれたかもしれないのに、クッ」

横「それはどうかな」

河「えっ?」

横「これは俺の勝手な想像なんだが神さまはこいつを試したんじゃないか」

五「試す?」

戸「どういうこと?」

横「ミツが意識をなくしても太輔のところへ辿り着けるかどうかを」

屋「あぁ、たぶん」

五「屋良」

屋「こいつはこの3ヶ月間必死で食い下がったんだろう帰してくれと」

宮「じゃ、その結果がこれってこと?」



やっぱり、ミツは凄いや。



横「ミツなりにそれが自分の出来る精一杯のことだったのかもしれない」



神さまさえも説き伏せちゃうだなんて。



横「あのとき太輔が起こした行動に対しての」



それを聞いて、誰もが言葉を詰まらせ同じ事を思う。

早く早く来てガヤ。

そして思いっきり抱きしめてあげて。

そうして貰えるのを待っているんだから。

俺達はミツを見つめながらその時を静かに待ち続けていた。

王子さまが姫君を目覚めさせてくれるのを―





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