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天使と悪魔

第23章 誓いの口づけ

・北山side

天界へ行って1ヶ月が経ったころ。

俺は、自分の身体に変調を感じた。


うっ、気持ち悪い、ハッ、できたのか子供が。

しかし、それからは。



神「許さん」

北「なんでだ」

神「お前はやっと私のもとへ戻って来た我が子、手放すなんて出来るわけがない」

北「勝手な事を、じゃ腹の子はどうするんで?」

神「地上にいる子のない者にでもあげればよい今なら胎児を移すことが出来る、さぁ言うことを聞け」

北「はっ?ざけんじゃね、誰が」

神「宏光」

北「おまえは親でも神でもない、ただのエゴの固まりだ」

神「私はお前と一緒にいたいのだよ」

北「俺は太輔の傍で子供を育てたい」



考えが甘かったことを思い知らされる。



神「なぁ、宏光」

北「うっせー寄るな、うっうえっ、ハァハァ」

神「そんなに苦しんで私なら楽にしてやれると言っているだろ」

北「お前の力なんていらね俺は、この子と太輔それにあいつら仲間たちと一緒に生きたいんだ」



そして、思った以上に酷い悪阻が襲って来る中で。



神「頼む、そんなに意地を張らないでくれ」

北「それ以上、傍へ来たら舌噛んで死ぬ」

神「なんてことを」

北「この子は絶対に渡しはしない俺と太輔が愛し合って出来た子なんだ、お前が俺に何が出来る」

神「私も愛しているぞ」

北「違う、そんなのただの自己満だ愛なんかじゃね」



必死で腹の子を奪われまいと抵抗する日々が続き。



神「見ろ、あれがおまえの愛した奴だ情けない、まるでフヌケだな」



太輔…クッ!



北「だからそれがどうしたっていうんで?」

神「んっ?」

北「あんたは今まで、一体なにを見て来たんだよ」

神「‥‥っ」

北「俺達は困難があって、それを乗り越えてこそ強くなれる」

神「あの者は、お前が傍にいなくても立ち直れると」

北「あぁ太輔はそんな柔な奴じゃない、それに」

神「なんだ?」

北「仲間がいる揺るぎないほどの絆が、あいつを取り巻く回りには」

神「信じていると言いたいのか?」

北「当たり前だ、じゃなきゃ好きになったりしね」

神「なら条件を出そう」

北「なんで?」



それは―





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