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天使と悪魔

第3章 狭間の中で

・河合side

―が、それから数日も経たないうちに。

俺らが危惧していた通り、ことは起きてしまう。

もうすぐ夜が明けようとした、そのとき。

突然の襲撃から始まって、キーン、カーン!



河「太輔、逃げろ」

藤「出来るかそんなこと」



キーン、ザクッ!


河「バカやろ、お前に何かあったら俺らの未来もなくなるんだよ」

藤「郁人、クッ」



カーン、ザバッ!



河「行け早く」

藤「くっ」

河「ここは俺に任せ」

藤「死ぬな、絶対」

河「あぁ、ふっ塚ちゃん」

塚「分かっているハッシー行くぞ」

橋「うん」



キーン、カーン!俺は斬って斬って伐りまくり。



「ハァハァハァ、くっそぉー」

「もうおしまいだ、諦めて観念しろ」



はっ?じょーだんじゃね、こんなんでくたばってたまるか。

キーン、カーン、ザバッ!

それから、何処をどう走り抜けたかなんて覚えていない。

気がつけば、山間へと辿り着いていて。



「くっ、ハァハァ、ハァ」



全身は傷だらけ視界はボヤけ、同じころ太輔も。



「ふっ、バカか逃げおおせると思ったか」

「なんでこんなことを」



崖へと追い詰められていたんだ。



「天使なんかに惚れて腑抜けになっている長なんか、俺らには必要ないんだよ」

「惚れている?俺があいつに」



太…輔‥クッ!

そして、意識を失いかけながら思った。

このまま死んでしまうのかと。



河「…ふっ‥恋…してかったなぁ‥あの人が…言っていた恋がよ」



そのまま眼を閉じる。

誰かが、近づいて来る足音を聞きながら。





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