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天使と悪魔

第24章 未来への輝き

・横尾side

それから平和な日々が続き

俺たちの部落では出産ラッシュで大変だった。

まずは宏太―



横「落ち着け心配いらない」

薮「うっ、渉、痛い」

北「宏太」

薮「宏…光‥ハァハァハァ」

北「大丈夫だ ニコッ」



こいつのときは逆子で。



横「どうするつもり?」

北「お腹の子を正常に戻す」



さすがの俺も焦ってしまい



横「でっ、出来るのかそんなこと?」

北「やるっきゃないだろ、じゃなきゃ赤ん坊が窒息してしまう」



が、ミツが能力を使い正しい向きに戻してくれたお陰で。



「ほっぎゃあ」



無事に生まれる事ができ。



横「よく頑張った、ありがと宏太」

薮「渉…ヒクッ」



俺は当分、こいつには頭が上がりそうにない。

そして、次は裕太。



宮「タマ、大丈夫、タマ」

玉「うっ、煩い、くっ少し黙っていろ…ハァハァ」



俺らの中では唯一天使同士のカップルだけあって一番の安産だった。



橋「へぇー陣痛の間隔ってこんなふうに来るんだ」

千「あるのとないのとでは体力の消耗が全然違うからいいよなぁ」



なんてったって裕太自身が優等生で。

俺たちも安心して見ていられたんだが。



「ほぎやぁーっ」



生まれたときの宮田の顔、あれは今でも忘れられないな。



北「あのよ、お前がどうしてそんなに汗を掻いているんで?」

宮「さっ、さぁ、アハッ」



涙なんだか汗なんだか区別がつかないくらいグッショリで。

裕太のほうが、スッキリとした顔をしていてさ。



宮「タマ俺にも抱かせて」

玉「いやだ」

宮「なんで」

玉「そんな汗だくで不潔だし」

宮「えぇーっ、シュン」

北「取り合えずお前は顔でも洗って来い」

宮「‥‥っ」

北「それじゃあ赤ん坊が、可哀相だろ?クスッ」



ダッ―

ミツがそう言ったら急いで洗いに行く姿がおかしくてさ。

みんなして大笑いしてしまったっけ。





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