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天使と悪魔

第3章 狭間の中で

・北山side

バサッ、バサッ、バサッ!

そうこうするうち、使っていない小屋を見つけそこへと降り立ち。

中にあったベットへ藤ヶ谷を寝かせた。



藤「ハァハァ…すま‥な…い」

北「いま、傷の手当をするからジッとしていろ」



そして、背中の羽根に手を回すと。



北「くっ」

藤「きっ、北山!?」



それを引き抜き。



藤「おまっ」

北「知ってるだろ、俺らの羽根には治癒能力があるって、フッ」

藤「あぁ」



だからダーク族はモノにした天使の羽根も必要に応じ抜いちまうんだ。



藤「けど…それじゃ‥お前の身体が」

北「心配するんじゃね1本や2本抜いたところでどうってことねぇ、フッ」



抜き過ぎると、命に関わるけどな。

それからこいつの服を脱がせ傷口を羽根でなぞり。



藤「くっ…ハァハァハァ」



だが、失われた体力はそれだけでは戻せない。



「悪魔はな、我々を陵辱しながら気をも奪っているのだ」



が、その時ふと長老の言葉が脳裏を横切った。

キスされただけで身体の力が抜けてしまうのはそのせい?

それで、あのとき…

藤ヶ谷に突然されて、俺は力が抜けてしまったのか。



藤「きっ…北山‥許して…くれ…ハァハァ」



だから謝んなって。

けど熱にうなされながら、こいつは譫言のように言い続けていてよ。

くっ、これじゃ身体が参っちまう。

どうしたらいいんで?



藤「きっ…北‥」



それしか方法はないのか。



藤「悪っ…かった‥」



意を決し服を脱ぐと自分の身体をその上へ重ね。

あったけ、ふっ、俺お前のこと信じるわ。

この身体の温もりは藤ヶ谷の優しさそのものだと思うから。

口から、気を流し込むように深くキスをする。

とたん、切ないほどの想いが奥から沸き上がり。

助けたい…

その想いに浸っていく自分自身を感じていたんだ。

身体が熱くなるほどに―





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