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天使と悪魔

第4章 絡み合う糸

・宮田side

ダダダッ―



千「宮田、宏光がいなくなったってほんと」

宮「千さん」



千さんは泉を挟んだ反対側の部落に住んでいる。



宮「うんそれで朝からタマが大変でさ」



その日、目を覚ましたタマはキタミツがいないことに気づき。

パニックに陥ってしまい。



玉「俺のせい俺がちゃんと見ていなかったから」

宮「タマ違うよ、そうじゃない落ち着いて」

玉「どうしよ宮田、ミツに何かあったら」

宮「大丈夫キタミツはそんな不用心な天使じゃないから」

玉「だけど、だけどさぁ」



それで…



宮「大倉くんとあっちこっち捜してみたんだけど見つからなくて」

千「タマは?」

宮「部屋にいる出て来ないんだ」



自分のことを責め続け。



玉「ごめんなさいゴメン」

宮「タマ、タマのせいじゃない」

玉「うぅん俺のせい」

宮「タマはなんも悪くないってあんな時間に出て行ったら誰だって責任を感じる必要はない」

玉「でも」

宮「聞いてキタミツは自分から出て行ったんだ分かるよね?」

玉「宮…田‥クッ」

宮「大丈夫、きっと見つかる ニコッ」

玉「うん」



俺は、タマを支えるのが手一杯で。

だから千さんに来て貰ったんだ。



千「分かった俺で役に立つのなら、宏光にはいろんな意味で世話になってるし」

宮「頼んだよ千さん」



俺も千さんも幼いころ両親を亡くした。

千さんは、独りで放浪しているところを。

キタミツが部落へと連れて帰って来たんだ。

俺はというと―



宮「タマ、開けて」



流行り病で親を亡くしてから独りで暮らしている。

ガチャ!

とはいえ俺にはタマがいたから。



宮「いま千さんが来て捜しに行ってくれてるから」

玉「ほんと?」

宮「うん、お腹すかない?ご飯いっしょに食べよ」

玉「コクン」



俺、タマの為ならなんだってするよ。

タマのためならね―





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