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天使と悪魔

第4章 絡み合う糸

・玉森side

あの人は出て行った…



玉「ねぇ俺の事どれくらい好き?」

宮「いっぱい形に出来ないくらい愛してるよ」

玉「もう一回言って」

宮「愛してるタマ」

玉「もっと!」

宮「めちゃくちゃ、愛してる ニコッ」

玉「俊、ニコッ」



俺を産んだあの人は。



玉「ねぇ、ママンは何処へ行ったの?」

父「裕太」

玉「僕、悪い子だから捨てられちゃったんだ」

父「違う、あいつは」

玉「くっ、ヒクッ」



ある朝、目を覚ましたらいなくて悲しくて寂しくてさ

だから―



父「今日から一緒に暮らすことになった宏光だよ」

北「宜しくタマ」

玉「タマ?」

北「玉森だからタマ、その方が呼びやすいだろ?」

玉「じゃあ宏光だからミツだね、ニコッ」

北「んだな、フッ」



ミツが家に来たときは凄く嬉しかった。



北「タマ、サッカーをやろうぜ」

玉「うん」



あの人がいなくなった寂しさをミツが埋めてくれたようなもんだったから。



玉「ミツ大好き」

北「俺もだぜタマ」



じゃなきゃ俺、生きてなんか来れなかったかもしれないし。

それくらい、ミツは大切な存在なんだ。

帰って来て、お願いだからミツ、ミツうぅーっ

そんな俺を、宮田は黙って受け止めてくれている。

優しく微笑みながら…

ゴメンないつも我が侭ばかり言って。

そしてありがとう俺も愛しているから―

言葉に出せない想いを身体で示す。

不器用な俺の愛し方はこいつにだけ通じるのかもしれない。

そう思いながら気がつくと夢の中に引き込まれていた

その腕に抱かれ―





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