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天使と悪魔

第4章 絡み合う糸

・藤ヶ谷side

その笑顔が眩しい―



北「捕まえられるものならやってみな、クスッ」



こんなふうに過ごせる日が来るだなんて思ってもみなかった。



藤「よーし、なら捕まえたら俺の言うことを聞けよ」



嬉しくて自分の顔にも笑みが零れる。



北「捕まえたらな」



グイッ!



藤「ふっ、ニコッ」

北「‥‥っ」



その瞬間、真顔になる北山の唇へ。

チュッ―



北「んっ」



キスをしギュッと強く抱きしめた。



北「ふっ、藤ヶ谷、約束…んっ」

藤「言うこと聞くって言ったよな?ニコッ」

北「‥‥っ」



だから、ちょっとだけ。



北「それとこれとは」

藤「違わないさ、フッ」



お前に触れさせてくれ。



北「あっ、んんっ」



愛しているから―

でも俺は、まだ何にも分かっちゃいなかったんだ。

その事をこのあと思い知らされる事となってしまう。



藤「北山?どうしたんだよ北山」



こいつが急に、痙攣を起こしてしまい。



藤「おい、おい!」



まさか幼い頃、その心の中に植え付けられた恐怖が。

トラウマとなって、北山を苦しめていただなんて。

それから俺達は、想い合っても1つになることができない辛さに身を置きながら

それでも種族の違いという厚い壁を。

なんとかぶち破ろうと足掻いてく事となるんだ。

心で愛し合いながら―





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