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天使と悪魔

第4章 絡み合う糸

・北山side

そうさ俺は、おまえを受け入れることが出来ない。

だけど、でもな…クッ!



北「じゃなんだ?おまえは俺の気持ちを分かってるっていうのか」

藤「えっ」

北「どうして傍にいるのか知っているのかよ」

藤「北山?」



やっべ止まらない。



北「好きだからに決まってるじゃん」

藤「‥‥っ」



言っちまったし。



藤「北山!?おまえ今なんて」

北「だから好きだって言ってるんだ、このバカ!」

藤「はっ?マジで言ってるの」

北「悪いか」



と、一瞬 藤ヶ谷は固まっちまい。

何が起きたのか分からない様子で。



藤「もう一回、言って」

北「やだっ」

藤「もう一回、なっ?」

北「やだって言ってるだろ」



そう何度も言えるか、んなハズいこと。

すると―



藤「悪く…は‥ないよ」

北「えっ」

藤「お前は、ぜんぜん悪くない!ギュッ」



そう言って抱きしめて来てよ。



北「ふっ、藤ヶ谷」

藤「くっ、ヤバいめっちゃ嬉しい」

北「そんなに喜ぶなって、俺はお前を」

藤「関係ないさ」

北「藤…」

藤「だってそうだろ?心が大事って言ったのは、お前じゃん」

北「あっ、あぁ、だけど」

藤「少しずつ、前へ進んで行けばいい。なっ俺、待つから北山が受け入れられるようになるまで」

北「藤ヶ谷、フッ」



おまえの言う通りかもしれない、そう思う。



藤「で、取り合えずキスは大丈夫なんだろ」

北「えっ、あっまぁー」

藤「なら、チュッ」

北「んっ」



俺達は、それから寄り添うようにし眠りにつく。

藤ヶ谷は俺を後ろから抱きしめ俺はその腕の中に包まれながら。

それだけで満ち足りた気分になれたのは。

互いの想いを確かめ合えたからかもしれない。

この日、少しだけ前へ進むことが出来た。

だから、もしかするといつか1つになれる日が来るのかも知れないと。

それを信じることにし…

しかし次の日、否応なしに種族の違いという壁の厚さを。

思い知らされることになろうとは思いもせず。





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