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天使と悪魔

第5章 訪れる慟哭

・二階堂side

ここは深い森の中―

上を見上げれば木々の隙間から太陽の日射しが見える

ミツ、どうしているかな?

徐々に、大きくなっていく自分の羽根。

もう人に聞かなくてもハッキリと、この眼で確かめる事ができた。



五「本当に不思議なやつ、成長が早すぎる」

横「それを言ったら、ハッシーも」

塚「まだ16になっていないのに羽根が生えてきた」

五「何か意味があるのかなこの2人」



ただ何故だか俺はハッシーを見ても欲情しないみたいで。

あっ、わったーから聞いたんだけどね。

ダーク族は、羽根が生えて来ると最初の発情期を迎えるらしい。

それが済めば年中無休―

なんだそれ?聞いたときはそう思ったけど。

つまり俺は、ミツや千賀に対し盛ってたってわけ。



横「いいかニカ、これだけは覚えとけ」



むやみに天使を襲うな。



二「当たり前だ、俺はそんなこと」

横「俺が言っているのは」



“俺達は一度その気を吸うと、まるで中毒になったかのようにそれを欲する”



ニ「えっ」

横「身体が要求し我慢すれば自分の寿命をも縮まるんだ」

ニ「はあっ?」



あり得ない…



横「だけど、意識して吸わないようにすることもできる」



つまり、それって。



横「お前は天使に育てられた、だから天使の気持ちも分かるはずだろ?」

二「うん」

五「俺達はね、この世の中を変えたいんだ」



変える?



五「俺も横尾も願いはただ1つ」



傷つく事のない平和な世界を…か、フッ!



横「ニカにはまだ難しかったかな クスッ」

二「そんな事ねぇよ、そうなればまたミツと一緒に、暮らせるようになるんだよな」

横「あぁ ニコッ」

二「なら俺、頑張る」

五「ふっ」



待っててミツぜったい会いに行くから。

わったーや、ごっち塚ちゃん達と夢を叶え。





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