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天使と悪魔

第5章 訪れる慟哭

・千賀side

宮田とタマに留守番を頼まれたのはいいけれど。



千「なんで、お前がここにいるわけ?」



藤井流星―

大倉くんとは腹違いの兄弟になる。



藤井「兄貴に呼ばれたんや」

千「へっ?」

藤井「一緒に、護ってくれ言われ」

千「誰を?」

藤井「うちらの長に決まっとるやん」

千「はあっ?」



なにを考えてるんだ?大倉くんは。



藤井「ちゅうわけで、お前は帰れや」

千「冗談じゃない俺だって宏光を」

藤井「ならあの悪魔が来たら追い返すの手伝ってくれるんやな」

千「なっ!?」



なるほど、そういう意味か

と、そのときガチャっと扉が開き。



「来たよー流星」

「助っ人が欲しいって言うから沢山つれて来た」



ゾロゾロぞろぞろ若い天使たちが入って来てよ。



千「お前ら!?」

藤井「邪魔すんなや」



ヤバい…

血気盛んな連中で、宏光も手をやいていた奴らだ。

こんなのとつるんでいたのか。



千「大倉くんどういうつもり」

大倉「それはこっちの台詞や」

千「えっ?」

大倉「玉森と宮田はどこへ行ったん?」

千「それは」

大倉「あいつを捜す気か?あの藤ヶ谷って悪魔を」



気づいていたんだ。



大倉「させへんで絶対あいつに宏光は渡さん」



大倉…くん

参ったな、これじゃあ自分1人では太刀打ち出来ない

そう思った俺は宮田たちと合流すべく部落を後にする

が、そこで―



「羽根が生え始めたばかりの天使が独りで何やってるん?」



げげっ、悪魔じゃん!?よりによってこんな時に遭遇するだなんて。

しかし、この悪魔…



「危ないやろ、はよ帰り」

「へっ?」

「なんや不思議そうな顔をして クスッ」



俺を襲おうとはせず、逆に



「なんなら送ってってやろか?どこへ行くん」

「はあっ?」



全ての悪魔が、悪いやつなわけではない。



玉「千賀!?」

宮「千さん!」



俺は、この時にそれを知る



河「なんだ誰かと思ったら照史じゃん」

桐山「郁人!?こんな所にいたんか ニコッ」



もしかしたら俺達はとんでもない誤解をしてたのかもしれない。

そう思い始めたのも、この頃からだった。

徐々に彼らと接するうちに





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