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天使と悪魔

第5章 訪れる慟哭

・千賀side

宮「千さん独りで行ったら危ないよ」



大丈夫さ―

天使なら誰もが狙われるってわけではない。

悪魔にだって、好みがあるから。

長老の話しだと、女性的な顔立ち。

つまりはタマや、宏光みたいな可愛いタイプが狙われやすいんだって。

俺は、まぁ見ての通り クスッ

でもね、そんな俺をニカだけは可愛いって言ってくれたんだ。

ニカ、今頃どこでどうしているんだろう?

宏光が大変なんだ―

そう知らせてあげたいけど居場所が分からなければ、どうすることもできない。

ふと前を見れば…



深澤「んーんー匂いはするんだけどなぁ」



あいつ、なにやっているんだ?



千「おーい、フッカだっけか」

深澤「あっ、千賀くーん」



ひと懐っこい笑顔を向けてくる。



千「なに?どうした」

深澤「ここいらへんで天使と悪魔、両方の匂いがするんだ」

千「はっ?」



こいつ意味不明だ?



深澤「で、あっちへ向かっている」

千「えっ」



指差す先には大きな森が。

いやいやちょっと待て出れなくなったら大変だぜ。

けど、フッカは。



深澤「河合くんのためならエンヤコーラ」

千「おい」



気にもせず、どんどん中へと入って行き。



千「ちぇっ、しょうがねぇなぁ」



仕方なく俺も後へと続いた

暫くすると何やら声が聞こえて。



二「もー疲れた、もう歩けない」

藤「お前さ、ハッシーより年上だろ」

橋「ニカ頑張れー」

二「頑張ってるよ、俺だって」



えっ、ニカ!

とたん走り出す俺に、驚くフッカ。



深澤「ちょ、なに!?」



ダダダダダッ!



千「ニカあぁーっ、ギュッ」

二「えっ、千賀?」

千「ニカ、ニカ!」

二「どうしてここに?」

千「じゃねぇよーどこ行ってたんだ心配したじゃん」

二「…ごめん」



良かった、無事に会えて。





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