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天使と悪魔

第7章 不穏の予兆

・藤ヶ谷side

横「ところで今日、俺が来たのは」

藤「俺らの一族のことか」

横「このままってわけにはいかないし」

藤「確かに」

横「こうしてる間にも天使狩りは続いてる、いつここの連中も狙われるとも限らない」

藤「そうだな」



天使ってのは俺達みたいに

一族全員が揃って村で暮らしているわけじゃないから

少人数で部落を作り、分散しているんだ。

だから―

もしここの連中が狙われたら、または部落ごと襲われたとしたら。



横「俺達だけじゃ護りきれない」

藤「来ると思う?」

横「あいつならやりかねないだろ、ましてやここにはミツがいる一族の長のあげくにお前と」

藤「やっぱり、わたも北山が狙われると?」

横「確実にな」



これが今の俺達の不安。

が、そうすぐには来ないと思っていた。



横「取り合えず、周囲への注意だけは怠るんじゃない分かったな」

藤「うん」



あいつらも、俺らがここにいることを知っている気がしたから。

しかし、奴らは思わぬ方法で忍び込んで来る。



藤「健永」

千「あっ、ガヤさん」

藤「どこか行くのか」

千「ちょっくら狩りにでも行って来ようと思ってさ」

藤「独りで大丈夫か?」

千「俺は、狙われるタイプじゃねぇし」

藤「気をつけて行けよ」

千「おう」



悩みは解決したのかな?

俺達は、少しずつ絆を深めていた。

だからこそ思う…

天使狩りは絶対にやめさせなければならないと。

悪魔だって、愛を知ることが出来るんだ。

そして、それを教えてくれるのは天使。

本当はその天使を護らなければならないんだと。

俺は自分の仲間たちにそう伝えたかった。

それが、未来へ繋がる希望の道標だと信じて。





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