
泣かぬ鼠が身を焦がす
第9章 磯の鮑の
部屋に1人残されて、俺は
「ぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
悶えた
俺!!もうこの状態でここに居続けるの無理!!!
でも、今更出てくとか……も、無理……だし……
しっかし
「腰いったぁ……」
俺がベッドの上で違う意味で悶え始めると
「おはようノラ〜。あれ?寝てた?」
と、茜さんが入ってきた
「んにゃ、起きてたよ、おはよ。今日のご飯なぁにー?」
「フレンチトーストだよ」
わぁ、甘いもの
いいね
「お腹すいたぁ……」
「ふふっ、そう言うなら早くこっち来てお食べー」
「んー」
俺はどうにか不審がられないように痛みを堪えて立ち上がり、テーブルまで歩く
机の上にはふわふわに焼かれたフレンチトーストが湯気をあげていた
「美味しそー」
「でしょでしょ? 美味しそうに焼けたんだよ!大成功!」
胸を張って自慢気に微笑む茜さんを見て、思い出した
「ねぇ、茜さん」
「なぁに?」
「えーっと……」
なんて聞けばいいかな
不自然じゃない感じで
「昨日さぁ、恋愛ドラマ? の再放送見てて」
「あ、今の再放送ってあれでしょ!」
茜さんが喜んで食いついてきて挙げた名前は、俺が昨日見てたドラマの名前
