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泣かぬ鼠が身を焦がす

第9章 磯の鮑の


その日1日何のやる気も起きなくて、ずっとベッドの上でぐだぐだしてた

お昼ご飯の時も茜さんが忙しかったみたいで別の人がコンビニのお弁当を持ってきたし、本当に誰と喋るでもなくゴロゴロしてただけ

でも目は冴えていて
全く眠れない


俺が言ったこと、杉田さんに伝わっちゃうかな
伝わる……よな


「はぁ……」


ため息を吐きながらベッドに身体を預けると、そのまま溶けてベッドに染み込んでしまいそうになる

まぁ、そんなことあり得ないけど


そして夜になって
いつもなら杉田さんがやってくる頃

茜さんは夜も来れなかったらしくて、別の人がご飯を運んできた

1人でご飯を食べながら思う


今日はこのまま来ないかもな
朝も態度悪かったし、あんなこと言っちゃったし

最悪


「はぁ……」


俺が今日何度目ともわからないため息を吐いたその時


「!」


突然扉が開かれて人が入ってきた


「え、なんで……」


その人はもちろん杉田さんで


「なんで? どういう意味だ?」


お盆に乗ったご飯を持って俺の前に座った


「静から予定を聞いていただろう? 別に今日は遅くなるなんて言ってなかったはずだ」

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