
泣かぬ鼠が身を焦がす
第10章 3日飼えば恩を忘れず
行くって言ってたし、開けるよ?
少し重めのお店の扉を押す
音もせずに開いた扉の中からは少しピンク色の光が漏れ出てきた
音楽もしっとりと流れている
「…………」
杉田さんは無言で店の中へ進む俺の後ろをついてきた
そして少し続いた廊下を抜ける、と
「アンタ!!!!久しぶりじゃない!!!!!」
店中に響き渡るどデカイ声
「久しぶり」
ガタガタガタ、と物音を立てながらカウンターの中から急いで出てきたのは
まぁ
控えめに言って、化け物
「うぶっ」
「あらあらあらあら。こんなところでなにしてんの!?ちょっと、よく顔見せなさい!!!」
背は高め
っつーか、杉田さんよりデカイ
190とか言ってたっけな
そんで、ムキムキ
性別は男
心は女
つまり、ガチムチ系オカマ
に俺は今襲われている
「痛っ……痛えよ!!首もげる……」
「もげないわよ!か弱い乙女にそんな力あるわけないじゃない!!!」
「その力こぶは飾り物か……」
杉田さんはもれなく引いてるし
助けてくれないのかよ
「いい加減にしろ!!死ぬわ!!!」
「いやん。つれないの」
「オカマに殺されたら一生後悔するから!」
