テキストサイズ

泣かぬ鼠が身を焦がす

第14章 鼠の志奪うべからず

純目線


1日中ふて寝して、起きた時には何でか俺は拓真さんの膝の上に乗せられていた

いつもは聞かないような変な質問をされ、謝罪をされ


そして今、拓真さんは俺を目の前に凄まじいほどの眼光で俺を睨みつけている


怖い怖い怖い
俺そんなに怒らせた?

さっき自分が謝ってたじゃん!


肩を竦ませると、それすら許さないように肩を掴んでいる拓真さんの手に力が入る


ぅぇぇええええ……!!!


俺がびくびくしていると、意を決したような拓真さんが


「……そんなに、1人暮らしがしたいのか。ここじゃ、何か不満があるのか」


と、強い語気で言った


「………………は?」
「確かにこの部屋では純に不自由をさせているかもしれない。だが俺としては1秒でも長く純と一緒にいる時間が取りたいんだ。だからーーーー」
「ちょ、ちょちょちょ、っと待って!!」


1人暮らし?
何言ってんの?


「拓真さん、俺1人暮らししたいなんて言ってないよ!」


俺の言葉に、今度は拓真さんが『は?』と言いたげに口を開ける


「昨日ちゃんとした家に住みたいと言っていただろうが」
「いや違くて! 俺が言ったのは拓真さんの家に行きたいなってことで……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ