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泣かぬ鼠が身を焦がす

第14章 鼠の志奪うべからず


俺の言いように、拓真さんに膝をぺし、と叩かれた


つか、30階とかより全然高いここのが確実に死ぬじゃん

確かに縁起でもねー


「そろそろ上がるか」
「んー……って、いってぇ!!」
「どうした?」


どうしたもこうしたもあるか!!!


「腰が痛い!!!」
「? 大丈夫だと言っていただろう」
「寝ぼけてたんだよ!!! 力入れようとすると余計に痛い!」


ひーひー言いながら悶える俺


まだお湯の中で浮力があるからいいけど、外に出たら俺骨盤からバラバラになりそうな気がする!!


俺のグロテスクな映像が自然と頭に浮かんできて鳥肌が立つ

実際にそんなことはありえないけど、そんぐらい痛え


「ねぇ、1回で終わった? 1回でこんな痛い?」


俺の追求に、拓真さんがスッと目を逸らした


あ!?

おいおいおい……え、マジで
俺がトんだ後もヤったの?

こらこら


「目逸らすな。こっち見ろ」
「……運んでやる」
「わっ、そーっと! そーっと運んでよ!! 痛いから!!」


その後も何も語らなかった拓真さんは当然の如く、甲斐甲斐しく俺の世話を1から100まで全てすることになった

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