
泣かぬ鼠が身を焦がす
第17章 千里も一里になるはずで
ヒトミさんにご執心なイケメンの話を、花選びの相談に乗ってもらったお礼の如く聞きながら店に戻った
「ただいま」
「お邪魔しまーす。ヒトミさぁん!」
「おかえり。ちょっ、アンタ邪魔よ!」
「いやぁん、痛いー」
「……」
オカマとオカマが戯れてる
「決まったの?」
「ん。すげー時間かかったけど」
俺が袋からゴソゴソ買ってきたものをとりだしていると、イケメンがにこにこしながら
「大事な人にあげるならあれぐらい迷って当然よ」
とフォローしてくれた
「ま、でも時間がないわね。早く作りましょうか」
「アタシ寝てていい?」
「付き合わせてごめん。いいーーー」
「ダメ!!! アタシの目の保養としてここにいて!!!」
「……」
「……わかったわよ」
そんなこんなで、オカマ2人に囲まれて俺の蝋燭作りが始まった
作るものを決める時に言われた通り、作り方はすごく簡単
ただ求められるのは俺のセンスで
「あーー、これでいいのかな」
「もう少しこうした方がいいんじゃない?」
「そうかな。ねーヒトミさんどう思う?」
「そうねぇ……」
2人に意見を貰いながら、なんとか出来上がった
