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泣かぬ鼠が身を焦がす

第17章 千里も一里になるはずで


「で……出来た……!!!」
「お疲れ様〜。ヒトミさんもっ」
「意外と大変だったわね」


ずっと気を張ってて疲れた俺と、いつもなら寝てる時間を使って俺の相談にのってくれたヒトミさんはソファにぐでっと凭れかかる

机の上に散乱している道具はイケメンが片付けてくれた


「これで、後は冷やせばいいんだよね?」
「そうよ」


そしたら明日取りに来て、明後日渡せるな
よしよし


今朝拓真さんと嫌な雰囲気になってしまったのも忘れて、俺はとにかくプレゼントを用意できたことに安心した


「あら、もうこんな時間じゃない。ノラ、アンタ帰らないと」
「うわっ、ほんとだ」


俺はバタバタと帰る準備を始める


「それじゃ、また明日来るから! またね!」


そして、運転手さんに電話するための携帯を手に店から出ようとするとヒトミさんに止められた


「あ、待ちなさいノラ。今日のお釣りは?」
「そこの人に渡してあるよ」


俺が指差すと、イケメンが鞄の中から封筒を取り出す

それがヒトミさんの手に渡ると、ヒトミさんがそこから1枚お札を取り出して俺に渡した


「え、なに……」
「明日これラッピングする用の物買ってから来なさい」

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