
泣かぬ鼠が身を焦がす
第22章 一に看病、二も看病
俺にしてはこんな途切れ途切れの言い方でもすげー頑張った方!!!
こんな恥ずかしいこと、本当なら墓場まで持っていきたいもん
だって
引かれたら、とか
考えちゃうじゃん
言い終わって、絶対赤くなってるだろう顔を隠すためにもっと拓真さんに顔を押し付ける
そしたら拓真さんが旋毛にキスをした
「!」
「そうだったのか。言ってくれれば良かったのに」
「……仕事、休ませてばっかじゃ悪いじゃん……」
俺の言葉に、また拓真さんは笑って
そしてまた髪にキスをした
それも、何度も
「そんなこと、病人が気にすることじゃないだろう。…………いや、違うな」
そう言いながら拓真さんは俺の頭を撫でていた手で前髪を搔き上げてまたキスをした
「気づいてやれなくてすまなかった」
「……っ」
やばい
可愛い
「……っ、……っ」
心の叫びを抑えつつ、拓真さんにぎゅーぎゅー抱きつくと拓真さんが「苦しい」って笑ってる
「純?」
「…………好き」
小さく小さく
拓真さんに聞こえなくていいって思って呟いた言葉は、残念ながらちゃんと拓真さんの耳に届いてしまったみたいで
