
泣かぬ鼠が身を焦がす
第23章 毒がある
手は綺麗になってるから、今度は触れられる
俺はキスされたところに触れて俯いた
心なしか顔とキスされたところが熱い
なんだよ
急に優しくしやがって
と思ってたら拓真さんが俺の首筋に手の平を押し当てるように触れた
「熱は、無さそうだな」
「うん。昨日よりずっと楽になった」
「そうか。それは良かったな」
ふ、と笑って
拓真さんは浴室に入っていく
それを目で追いながら俺はまた一段と顔が熱くなるのを感じた
俺を追ってきた時焦ってたよな
なんか
嬉しー……
俺はさっきまでの不機嫌さはどこへやら、という機嫌の良さで拓真さんを追って浴室に入った
2人でちょっと戯れながらシャワーを浴びて、拓真さんが作ってくれたご飯を食べて
「それじゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃーい」
「風邪治ったとは言え、安静にしてろよ」
「んー……」
拓真さんは仕事へと出て行った
そっけなく返事したけど、俺としては心配してくれたのが結構嬉しい
と思って1人になった部屋でゴロゴロしてたら
ふと目に入った物
「あっ」
つい口にも驚きが出たそれは、拓真さんが大勢の社員から貰った誕生日プレゼント
