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泣かぬ鼠が身を焦がす

第24章 鬼も仏も


「あの、さ……告白の返事は、何て言った……の……?」


俺のおそるおそるな聞き方に、拓真さんが顔を上げる


「……それが1番気になっていたのか?」


少しだけ驚いたような言い方


ちょっと考えれば拓真さんならわかる気がするけど、わかんなかったのかな


「……うん……」


俺が小さな声で返事をすると、拓真さんは優しい顔で微笑んだ


「もちろん断ったよ。俺にはお前がいるだろう」
「……茜さん、泣いてた?」
「いや、泣いてはいなかったな。悲しそうな顔をしてはいたが」
「そっか……」


何と言えばいいのかわからなくて、俺はご飯を口に運ぶ

すると、俺の仕草をじっと見ていた拓真さんは箸を静かに置いた


「純」
「なに?」
「おいで」


ぐぅ……
なんだよ

すげー笑顔だな


「…………嫌だ」
「なら、俺が行こう」


俺が拒否すると、拓真さんが代わりとばかりに立ち上がった

そして俺の方へ


「なんだよ、今ご飯食べて……っわ、ちょっと……!!」


脇に手入れて持ち上げられるの、前からたまにやるけど結構屈辱的だぞ

俺別にちっちゃくねぇからな!!


俺を持ち上げた拓真さんは俺が座ってた椅子に座る

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