
泣かぬ鼠が身を焦がす
第24章 鬼も仏も
でも、俺は早速次の日から拓真さんに迷惑をかけることになってしまう
朝拓真さんが出て行って数時間後に宣言通りノートパソコンを社員さんが持って来てくれて、ざっと使い方の説明を受けた
「ーーーそれで、ここでインターネットにつなぐ事が出来ますので」
「あー……と、これか。はい、わかりました」
「では私はこれで。何かわからないことがございましたら仰ってください」
「ありがとうございました」
そしてそれで『20代 女性 誕生日プレゼント』なんて検索してたところに茜さんが昼食を持ってやって来た
「ノラ〜ご飯だよ〜」
「茜さん? あれ、うわもうこんな時間だ」
「パソコン貰ったんだって? 目悪くならないようにね」
「こういうのやってると時間あっという間だね。本当気をつけないと」
そんな会話をしながら俺が椅子に座ると
「あ、ねぇノラ聞いて! 大ニュース!」
と、茜さんが身を乗り出すように話し出した
「ん、なに?」
「実はね、今度うちの会社に最新技術の視察に内閣総理大臣が来るんだって!」
内閣総理大臣が
視察?
「…………」
「ノラ?」
「あ……ごめ……なんで、来るって?」
「最新技術の視察! やっぱり日本のトップ企業なだけあるよね! 総理だよ? すごいよね!」
