
泣かぬ鼠が身を焦がす
第4章 隠した爪に刺される
朝ごはんを食べ終わってもやることなんてなくて、ゴロゴロと転がっていたら朝ごはんの食器を片付けに茜さんが入ってきた
「食べ終わった?」
「んー……美味しかったよー」
「良かった」
話し方もフランクになってきたよなー茜さん
めっちゃ話しやすいわぁ
「あ、そうだ。社長から宿題だよ〜」
「えぇ!?」
宿題!?
ここは学校か
「はい、どうぞ」
渡されたのは
「なにこれ?」
『高校の数学』『高校の国語』『高校の英語』
おいおい
なんじゃこれ
「やっておけ、だって」
「高校の勉強を?」
なんで俺が
「どうせ中卒だろうから一般教養に、だって」
「……」
中卒だけどさぁ
世の中に割といるからな?
馬鹿にすんのやめろ?
にこにこ笑う茜さんは「はい、筆記用具」とシャーペンと消しゴムを渡してくれる
「え〜ほんとにやんの〜?」
「やらないと晩御飯なしだよ」
「は!?うそ!?」
「これは冗談。でも、頑張ってね」
んーー……
面倒くさい
式の計算、微積分
うわぁ
漢字と英単語の書き取りとかもある
「答え付いてない……」
「自力でやんなきゃね」
