
泣かぬ鼠が身を焦がす
第5章 猫の前の
「へ?」
「あ……ぅぐ……」
びっくりしてぎゅ、と締め付けたせいで伊藤さんが中で出した
俺イってないのに
とか
そんなこと考えてる間に目の前にいた伊藤さんが消えた
え?
いや、ふっとんでた
「ちょっ……!?」
「………っ」
ふっとんだ原因は俺ではなく、扉を開けて入ってきたその人
杉田さん
「静。何をしてるんだ?」
「……す、みません……」
伊藤さんは壁まで飛んでて、まだ身体も起こせない状態で謝罪する
「大丈夫か?ノラ」
「へ?え……」
大丈夫もなにも
「なんで殴ったの?別に乱暴な抱き方でも怒んないけど。つーか俺もうちょっとだったのに」
「は?乱暴?何を言ってる?」
「え?杉田さんこそ何?」
お互いの話が食い違ってるのは明白で首を傾げ合う
「性処理のために、伊藤さんに俺のこと抱かさせてるんだよね?」
だって
杉田さんの考えてくれる、からの伊藤さんが社長からの指示で
って矢印で綺麗に繋がるじゃん
「…………」
「?」
「……俺はそんなこと言った覚えはないぞ」
「は?」
なにそれ
2人で壁際にいる伊藤さんに目を移す
すると伊藤さんはようやく身体を起こしたところで
